「呉書 三国志」ってどんな本? 「呉書 三国志」著 斉藤洋、挿絵 モンキー・パンチ、出版社 講談社 文章を書くのが苦手で、感想文なんかもとても苦手なのですが…。 少しでも「呉書三国志」に興味を持っていただいて、 復刊ドットコムで貴き一票を投じて頂ければと!! とにかく復刊して欲しいのです!(必死) 僭越ながら、呉書三国志の感想(「登場人物の印象」「好きなシーン」 など)書いてみようかと思います。 *登場人物の印象* |
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・孫堅 とても正義感が強い人という感じ。無道なことをしているヤツを見ると、かっとなって 暴走してしまう性質を自分で自覚して、悩んでいる姿が印象的でした。 ・孫策 いいお兄ちゃんです。暴れ者っぽい所もありながら、おおらかで優しい感じもする。 やることに迷いがない感じ。武勇だけでなく知性もひかってます。 ・孫権 思いやりのある優しい子です。兄上大好き。情は深いのに、政治に個人の感情を交えない ようにしている所に立派さを感じます。だんだんと逞しくなってゆく姿に、うたれます。 ・黄蓋 とにかく愛すべき人です(^^)ちょっと張飛に通じるものを感じました。 単純なんだけど、孫堅に対する直向さ、孫兄弟に対する優しさが印象的です。 ・程普 インテリ系で黄蓋のツッコミ役かな、と思いきや。なかなかどうして暴れん坊(?) 時々予想外の思い切った行動に出るところが、カッコイイです。 ・周瑜 上品で、頭が良さそうで、戦もこなせるし、優しい。これだけだったら味気ない気がする けれど、この周瑜はそれだけではない。なかなかいい性格をしている。 今まで読んだ三国志小説の周瑜のなかで、ぶっちぎりに魅力的(私見ですが) |
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*好きなシーン* (とても書ききれない…) |
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《1巻》 ・孫権を「青い目は野蛮人」とからかった商人を、こらしめる弟思いの策兄。 それだけではひねりがないけど、後日その商人たちを「この間はやりすぎたよ」といって もてなす策兄。か、かっこいい…!心服してしまうのも頷けます。 ちなみに商人がぶちのめされている間、権ちゃんは 「もう許してあげて」と泣きながら策兄に懇願します。 元はといえばからかわれたのは自分なのに…優しいなぁ。 ・占い師をぶちのめす、占い嫌いの策兄(本当に暴れん坊だな;) 権はせっせと占い師を助けてあげます。兄上が乱暴したお詫びにと、 自分の帯をあげたりもしてます。 そしてその後帯の代わりに縄を巻いたため、権が腰に縄を巻いていると、策兄がまた占い師をぶちのめしたんだなと、傍目にわかった という…。 なんだかほほえましい(?) |
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《2巻》 ・軍船に荷物を積み込むのを見て、戦が始まるのかなと、ピンとくる孫権、10才。大物感がただよいます。 しかし父だけでなく兄上も出陣するという話を聞いて 寂しそうに地面を見つめる権。お兄ちゃん子だねぇ…。 ・策の初陣の日、策に一番手柄を立てさせようと抜け駆けしようと誘いに来る程普。 いいのか程普!? ・父が死んだときいていきり立つ孫策を無理やり船室に閉じ込める程普たち。 この辺の孫策のモノローグとかは痛々しくてコメントのしようもない…。 ・からかうような口調で出現する周瑜。 軍に加わったばかりの周瑜がいろいろ口を出すのを面白く思って いなかった黄蓋に、おだやかな口調で話しかけ、おだてあげ、結局自分の意見通りに事を運ぶ 周瑜。 あなどれない男です。 一騎打ちを申し込まれ「おう」とやる気満々の返事をした孫策の前に立ちはだかり、 「孫郎、およしなさい。」 怖いものなしだ周瑜!素敵だ…。 |
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《3巻》 ・婚礼の宴を抜け出してきた孫権と黄蓋の会話から始まる3巻。 酔いを醒ますため外に出てきた孫権ですが、おだやかに話をしている辺り、 どうやらこの孫権は酒乱の気は無いようです。そろそろ戻らないと孫郎が心配しますという黄蓋に 「お前がついているのだから兄上が心配なさることなどないよ」の一言。 こんなに信頼されたら、そりゃもう一生ついていきますよ! さらに「そんなこといってお前、また酒が飲みたくなったんじゃないのか」とからかう孫権。もう絶妙です(何が) ・孫策が進軍の途中孫権に指揮を任せ、姿を消してしまう場面。 弟に実習をさせようという兄心にホロリ。 策兄は孫権の傍に周瑜をおいていってくれるのですが、周瑜に意見を聞いても時々「さて、いかがなものでしょうなぁ」ととぼけます。 やっぱりいい性格してます。 軍議で孫策に意見を求められ、実戦体験のほとんど無い孫権が 「よくわかりません。兄上がよいと思われることに従うだけです」 といってしまい、孫策に雷を落とされた時もそう。 程普や韓当や黄蓋、呂範が口々に孫権を庇うのですが、そんな中周瑜はひとり 下を向いています。なんと…笑いをかみ殺して 。 この男、曲者です。 これだけなら曲者で終わりなのですが、その夜孫権が一人で船べりで一人しょんぼりしていると、 孫策は孫権を叱るのが目的 だったのではなく、叱られた孫権を見て、武将たちがどう言うかを見たかったのですよ、と慰める周瑜。 どうしてそんな事がわかるのと聞く 孫権に対し「孫郎のことで私にわからないことなどありません」と断言。 …かっこいいなぁ…。 ・孫策逝去後。 いつまでも泣いている孫権は無理やり着替えをさせられ閲兵をさせられます。 孫権をみていっせいに喜びの声を上げる二万の兵。 孫権が反射的に軽く右手を上げると、兵たちがしずまります。 ああ、わたしが手をあげただけで、兵たちがしずまってしまった。 頭の片隅でぼんやりと思う孫権。 程普や黄蓋や韓当、朱治、呂範、太使慈の姿を見つけ、周瑜に帥旗を手渡され、 泣いているときではない、と目を覚ました孫権。馬を前に出しながら、 どのような励ましの言葉を兵たちにあたえようかと、そればかりを考えます。 だんだんと、立派になっていく孫権の姿がまぶしいです。 ・曹操に息子を人質に出せといわれ、「呉は力を蓄えたとはいえ、 まだ曹操と対抗できるほどではない。わが子一人を出して平和が保たれるなら それもやむなしと思っている」と皆に告げる孫権。 後に曹操が荊州を抜いたときも、自分ひとりの命ですむのなら、家臣たちの命を 助けてやりたいと考えたりしています。 ちょっといきすぎな感もありますが、やっぱり…優しい子なんですよね。 ”黄祖にあんな男は普段は下っ端役人としてこき使い、戦になったら番犬代わりに用いれば いいのだといわれた”と、悔しそうにはきだした甘寧に 「それなら私のもとで働くがよい。ただし、犬としてではなく、人間としてな。人間は、 人間として働くこと以外働きようが無い」と声をかける孫権からも、優しさが感じられます。 ・孫策の後を継いだ孫権が黄祖討伐にでた際、自分の船が後方にあり、これではわたしなど いてもいなくても同じじゃないかと不満を漏らす孫権。 それに対し”軍の大まかな指揮を執ってください、私たち武将が孫権さまの手であり足である のです”という周瑜。しばらくその通りにしたものの、イマイチ納得しきれず「こうして船に座っているだけでは、 帝のようだ」とぼやく孫権に、 「そうです。それでいいのです。いずれ孫権さまには 帝に…。」 と口をすべらせます。(むしろわざとか?) 優等生みたいな顔して、意外と危険思想の持ち主なようです。 黄祖を討ち取った後、このまま荊州に攻め込もうという武将たちに「もはや敵は劉表では なく曹操だ。劉表には曹操の防波堤として生きていてもらわねばならない。」孫権が言った のに対し、満足げに声をかける周瑜。 曲者でも、結局、孫権がかわいくてしょうがないという感じ(ほほえましー) ・諸葛亮の弁舌を聞きながら、結構冷静に考えている孫権。 ”世の中に完全な善人がいないように、完全な悪人というものもいない。劉備が真っ白で 曹操が真っ黒と言うことは無い。曹操にも徳があるだろう。 この戦乱に人徳だけではやっていけない。その証拠に劉備は戦うたびに負けるではないか。 今劉備と組んで立ち向かえば曹操などひとたまりもないなどと、よく言えたものだ。聞いてあきれる。勝つ見込みは多くて三割だ。” う〜ん…立派に育ったものだ。 |
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いろいろ挙げましたが(疲労<~-_-;)、 一番印象的だったのは孫策に従って黄祖討伐に向かう時孫権が考えていた事です。 各地でお互いに殺し合いがおきていて、誰かが誰かの敵になっているこの戦乱の時代、 それぞれが敵討ちを続けていれば戦争は終わらない。 戦わずにすむのなら戦いは避け、人々の暮らしを良くすることにために内政に力を入れる べきではないのか。 結局、兄と一緒にいて兄の手伝いをしているときが一番幸せだった孫権は、兄たちに臆病 だと思われたくないことや、兄の宿願に水をさしたくないという気持ちからそういう考えを 口には出さずにいるわけですが…。 でも、この思想がその後の豊かな呉をつくる基盤になったのかな、と思いました。 兎に角。 上記にあげたのの他にも、まだまだ名シーン目白押しですv 読みたいでしょ? 読みたいでしょ? 読みたいよな?! (ゴリ押し) だから投票しようよ(笑) ▽ |
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